“NI-TOUCH” PROJECT
地域で子育て「にいたっち」プロジェクト
ソーシャルディスタンスが叫ばれる昨今(私はフィジカルディスタンスという呼称を推奨しています)。より一層他者との距離感は開く一方で家庭内では蜜になりすぎるが故にD Vや虐待等の件数が増加しています。
昨年長男を授かったばかりの新米パパとしては他人事ではない社会課題。
何かできることはないだろうかと思う日々の中で、たまたま別のお仕事で関わりが深かった新潟県社会福祉協議会地域福祉課と協働し地域福祉活動としてできることから始めようと産声をあげたのが「にいたっち」プロジェクトです。
「にいたっち」とは、新設する新潟県子育て支援事業の名称です。事業のイメージを表現するため、新潟県の地理的形状(本州と佐渡や粟島の離島)を踏まえ、親子の鳥をモチーフにした誰もが親しみを持てるロゴを弊社デザイナーと新潟県社協のみなさんと一緒に作成しました。
「にいたっち」では、子育てを保護者だけに押し付けないこと、子育て世帯を見守り孤立することなく支えあえる地域を作るといった社会モデルの視点(当事者を取り巻く環境を変えていく)から、子育て支援事業を推進することを目指しています。
そのため世代や属性を問わず誰もが日常的に参加できる仕掛けを考えていくことが大切だと考え、子育て支援情報とリンケージしたロゴシール、このご時世だからこそ、外出時の必需品となったマスクを作成することから始めることにしました。
シールについては、私自身、流動性が高く隣近所との付き合いが希薄な都市部のアパートに住んでいた時に思いつきました。夜泣きする長男。寝不足なのはへっちゃらながらも、お隣さんが怒鳴り込んできたらどうしようという不安がまさっていました。そこで、顔もわからないながらもお隣さんの郵便ポストに子育て世帯ウェルカムのメッセージが込められたシールが貼られていたらどれだけ安心感が生まれるだろうと思いシールの作成を提案しました。社会福祉分野だけはなく、地域の不動産業者のみなさんとコミュニケーションを図りながら広げていこうと考えています。
続いて今や外出時の必需品となったマスク。物理的距離だけなく、相手の感情が読み取りづらい世の中になっています。例えば、電車に持ち込むことで賛否が起こるベビーカー問題。子どもの通院などでラッシュ時間と重なるけど、長時間の移動で抱っこだけでは限界。仕方なくベビーカーで移動する母親の前により立つ強面の男性。母親は恐怖心が芽生える一方、実はこの男性、子どもが大好き。
こういったケースを含め、子育てに寛容であることをシールとマスクで表現する、という狙いのもと、2つのものづくりからはじめていくことになりました。
このものづくりは、新潟県内の障害者作業所で行い、売り上げの一部が新潟県社協内で創設予定である基金に蓄財され、子育て支援事業に循環していく仕組みで進めていくことになっています。
以降、モノだけでなくコトづくりも合わせて進めていきます。また、新潟県だけでなく、他県からも声がかかり、様々な立場の方々とともに小さな一歩を積み重ねていきたいと思っています。